◆ 鳥取に合う家 〜とっとり地中熱の家の取り組み〜

 

平成12年10月6日、鳥取県西部地震が発生しました。

幸いにして、当社で建てた家は瓦のズレなどの軽微な被害しかなく“ホッ”としていました。

その後、鳥取県の要請で被害の大きかった日野町の建物の応急危険度判定を行い、「外壁が崩れ傾いた家」「屋根瓦がほとんど落ちてしまった家」など、震度6強の凄まじい揺れを知ることができました。

 

しかし、被害に合った建物をよく見ると・・・

■壁の中の断熱材(グラスウール)が真っ黒になりズリ落ちている。

■浴室廻りの柱や土台が腐っている。

■鉄骨の家に錆びがきている。 ・・・etc

 

「地震の被害は認めるが、これは湿気による被害も相当なものだ」と実感しました。

 

その後、被害に合った家の修理で忙しく、その事も忘れていましたが、その年の冬、日頃から懇意にしている大山プレカット工場・専務理事の吉岡さんから「小笹さん、この本を読んでみたら」と、渡されたのが、外張断熱を題材にした『いい家が欲しい』の本でした。

その日の夜、時間も忘れて一気に読んでしまいました。読み終わって、

 

「今までは住宅の断熱・気密について気にせずに、根拠もなく気密は中気密?で、いいとか思っていたなー」

 

などと考えていると、鳥取県西部地震の被害にあった建物を思い出しました。

そして住宅の断熱・気密の重要性に気付き、それからは高断熱・高気密に関する専門書を数多く読みました。


その結果、

「湿気によって腐らず長持ちし住み心地の良い住宅を造るには、高断熱・高気密住宅。そして、高断熱、高気密住宅の施工には外張断熱の施工が適している」

という結論に達しました。

 

そうなると、「外張断熱」を頭では理解したのですが、実物を見たくてしょうがありません。

私一人が見てもいけないので、平成13年の社員研修の時に見に行こうと決め、例年は5月に行く社員研修を“暑い夏”の体感をしたかったので7月にしました。

 

<実際に体感してみて>

7月2日、大阪市内の実験棟へ見学に行きました。外気温が30度くらいあり、とても暑い日でした。

建物の中に入ると外気温より少し涼しくカラッとした感じ。冷房は入ってなかったので驚きました。

2階の屋根裏も見学してみると・・・そんなに暑くありません。

温度計は30度(普通の家では40度を超え暑くて入る事が出来ません)、私をはじめ、従業員全員納得して米子に帰りました。

 

<間違いない外張断熱の家を建てよう>

私は1日も早く外張断熱の家を米子に広めたくて、どうしたらいいのか悩みました。

住宅をご計画のお客様に「外張断熱」の良さをお話しますが、なかなか“建てよう”という話にまではなりません。

 

それなら・・・「外張断熱のモデルハウスを建てよう!」と決めました。

初めて施工する「外張断熱の家」の為、基礎工事から家が完成するまで、大工さんをはじめ、各施工業者の方と何度も打合せをして、「間違いない外張断熱住宅を造ろう!」と、取り組みを始めました。

 

外張断熱 × 自然エネルギー

 

「外張断熱 木の家」は気密性・断熱性に優れ、省エネで快適な住宅としてお客様にも大変喜んでいただきました。

 

高性能の「外張断熱 木の家」、それをさらに活かしたい・・・そんな思いから、省エネにとどまらず、自然豊かな“鳥取県の自然エネルギーを取り込み、活用する住宅”を考えるようになりました。

 

以前、勉強会で知り合った「エコホームズ」の玉川社長が、千葉県で「地中熱活用住宅」に取り組んでいることを聞き、早速、千葉県まで会いに行きました。

地中熱を自然の力で基礎下に発生させ、それをどのように建物内に取り込むか、わかりやすく説明していただきました。

 

■日照時間が少ない鳥取県の冬でも地中熱は15℃程度。

それを利用した床下の空気を“地中熱システム”で建物内に送り込み、従来暖房にかかっていたエネルギーを軽減する。

 

■“地中熱システム”の活用で、床下、建物室内、壁中、屋根裏では絶えず空気が出入りし、室内から構造部材まで乾燥する仕組みは、湿気の多い鳥取県に合っている。

 

“自然豊かな鳥取県のエネルギー”で、しかも無尽蔵の「地中熱」を利用し、建物中の除湿ができる『地中熱の家』を鳥取県にいち早く建てたい。

早速、玉川社長の「地中熱グループ:ecoハウス研究会」に入会しました。

 

「とっとり地中熱の家」とは・・・

 

「とっとり地中熱の家」は、外張断熱・通気工法で施した床下に、安価な設備により空気を送風し、(以下地中熱システムと表示)土間コンクリート等の床下基礎と熱交換を行ないます。(冬は温熱、夏は冷熱)


その地中熱を取得するのは、地下5mの地中熱を高額なコストを掛け取得するのでなく、土の持つ「断熱性」や「伝導性」を利用したもので、建物基礎下に自然発生的に地中熱を蓄積し、その地中熱を建物内に取り入れ冷暖房に利用します。

 

当社は創業以来、常に「鳥取県に合う家」を念頭に置き、家づくりをしてまいりました。

鳥取県は東北や北海道のような寒冷地でもなく、岡山・広島のような温暖な地域でもありません。

平野部は「山陰型気候区」、山間部は「中国山地気候区」に区分されます。

「とっとり地中熱の家」は全国統一の仕様をそのまま利用するのではなく、鳥取県にある自然エネルギーを“一番自然な形”で建物に取り込む住宅です。

 

「とっとり地中熱の家」の取り組みは、平成21年に鳥取県の経営革新計画に承認され、平成22年に鳥取県経営革新支援事業として「とっとり地中熱活用実験施設」を弊社敷地内に設置し「建物基礎下の地中熱」「実験施設内の温湿度」を測定し、データの蓄積をしています。

このデータを基に「とっとりに合う地中熱利用」の研究に役立てていきます。

 

これから“住まい”に求められるものとは・・・

 

平成23年1月1日「米子市の大豪雪(積雪89cm)」、そして同年3月11日、あの未曾有の災害「東日本大震災」。

記憶に残る2つの自然災害は、鳥取県に住む私たちにも“暮らしの在り方”を見直す大きなきっかけになりました。

 

特に、災害時の長期停電や原発事故で『住宅の在り方』は根本から問われることとなりました。

「東日本大震災」の被災地で、既に【地中熱の家】に住んでいた知人は、長期間の停電だったにも関わらず、家が「シェルター」となり、暖房機器がなくても“寒くなかった”と、話しています。

 

これからは私たち家づくりに携わる者が自然の恩恵と脅威を理解し『技術と自然が調和する住まい』がよりいっそう求められるのではないでしょうか。

 

株式会社こざさ建設

〒683-0805 鳥取県米子市西福原9丁目12番24号

Tel / 0859-32-8677  Fax / 0859-32-8748  E-mail / info@kozasa.co.jp